低身長の治療(成長ホルモン以外)

総論

こんにちは小児内分泌科医Nです

本日は成長ホルモンを除く低身長の治療について説明します

私の内分泌専門外来の低身長では治療として成長ホルモン投与しない子の方が多いです

成長ホルモン適応外だったんだがどうすればいいのかという方は多いと思います

これを読んで頂けると成長ホルモン適応外の治療についてわかりますので、ぜひ読んでいただければ幸いです。

栄養、睡眠、運動

当たり前だと思われる方は多いと思いますが、栄養、睡眠、運動は身長に対して重要です

1、栄養

栄養ではやはり実際食べていない人が多いです

特に離乳食開始時期には栄養不足が多いです

離乳食時期はあまり食べられない児が多いのと寝返りなど運動量がとても増えます

相対的により低栄養となりやすいのです

実際3歳までは肥満は除くと、体重と身長は比例する場合が多いのです

2、睡眠

また睡眠も大事です

寝る子は育つというのは本当です

成長ホルモンは22時~2時に出やすいと言われています

その時寝ていることが重要です

3、運動

運動ももちろんです

骨に刺激をあたえ成長促進の効果があります

しかし注意も必要です

運動しすぎは相対的に低栄養となります

実際運動しすぎの児で、採血すると栄養の評価となるプレアルブミンが低下している児は多いのです

なので運動をすることはもちろんいいですが、低身長の方はプレアルブミンなど評価をし、カロリーなど必要か検討することが重要です

ビタミンD不足

ビタミンDは骨を形成するのに必要です

ビタミンDが不足すると骨形成できず低身長となります

私たちは25OHビタミンDというのを測定し、ビタミンDが不足しているか検討し、不足している場合アルファロールというビタミンDを内服します

しかしビタミンD過剰にすると尿のカルシウムが蓄積され、腎結石など生じることがあるため適宜尿検査などする必要があります

ビタミンDは市販でありますが、過剰だと副作用が多くなるため、血液検査、尿検査をしないでビタミンDサプリを摂取することはやめてください

亜鉛

亜鉛は成長ホルモンを分泌させるのに必要な元素のため亜鉛不足は成長ホルモン低下し、低身長となります

亜鉛不足時はノベルジンという薬を処方します

錠剤がのめない場合粉砕化しなければならないですが、粉砕化すると飲みにくいといったこともあるので注意が必要です

亜鉛も過剰に摂取すると貧血などあるため適宜血液検査を行い過剰かどうか確認する必要があります

なので血液検査をしないでサプリ摂取することはやめてください

便秘、下痢

便秘は食欲が低下するなど注意が必要です

また下痢の子は消化不良のことがあります

実際便秘、下痢の子は低身長となることが多く、整腸剤など使用し、それらを治すことで身長が伸びる子がいます

最後に

低身長の成長ホルモン以外の治療について説明しました

注意なのはサプリなど不要に摂取しないよう注意してください

またセノビックなどは摂取しても実際伸びないこともわかっております

小児内分泌学会でも不要なサプリなどはしないよう注意喚起がされております

詳細は下記を参照してください

「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解(2013年3月29日公表)|日本小児内分泌学会

最後となりましたが皆様の低身長の治療にこの文章が役立てれば幸いです

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