夜尿症の検査について

夜尿症

 こんにちは小児内分泌科医Nです

 本日は夜尿症の検査についてご説明します

 夜尿症はいろいろな原因があります

 夜尿の原因の詳細は下記を参照していただければ幸いです

原因を特定し、治療に結び付けるには検査が必要です

 ここでは夜尿症でどんな検査をするか、またその解釈について説明します

尿検査

夜尿症ではまず尿検査を行います

尿ではいろいろな情報があります

どんな検査をするか下記に示します

1、比重

比重とは尿の重さです

特に早朝尿(できれば夜尿がない日で起きて一番最初にした尿)が重要です

通常は早朝尿が一番濃い尿となります

それは夜間に抗利尿ホルモン(尿を少なくするホルモン)がでるからです

つまり比重が少ないと抗利尿ホルモンが少ないかもしれないということを示します

2、尿糖

尿に糖分がでているかどうかです

もし尿糖が陽性の場合糖尿病の可能性があります

糖尿の場合多尿となるため、夜尿の原因となるのです

よって尿に糖がでているかどうか重要です

3、尿白血球

尿に白血球がでているかどうかです

白血球とは細菌と兵隊さんの役割を示します

尿に白血球があると膀胱炎や腎盂腎炎といった尿路感染症の可能性があります

尿路感染症は頻尿の原因となるため尿に白血球がでているかは重要です

4、夜間の尿量

夜間の尿量も重要です

尿量の測定はおむつに吸収された尿で測定します

夜間尿が多かったら先ほどの抗利尿ホルモンがでていない可能性があることが分かります

血液検査

Cre(クレアチニン)

Creは腎機能を示しています

腎臓は尿を作るところですが腎臓が悪い人は尿が多くなることがあります

Creが高ければ腎機能が悪いことが分かります

超音波検査(エコー)

ルーチンでは行わない方もいらっしゃると思いますが私はするようにしております

超音波でわかることは以下のことです

1、膀胱壁の厚さ

膀胱は尿を貯める貯水池の役割をしますが、その壁が厚くなることがあります

膀胱壁が厚くなると膀胱炎などの感染や、また腎臓、膀胱などに異常がある可能性があります

2、水腎症、尿管拡張の有無

水腎症とは腎臓に水(尿)がたまる疾患です

水腎症があると腎臓を圧迫するため腎機能が低下することがあります

また尿管が拡張する児がいます

尿管とは腎臓で尿が作られたあと、膀胱へ尿を運ぶのですが、腎臓と膀胱をつながる管が尿管です

尿管が拡張している理由としては尿管が膀胱とつながるところで通常と位置が違う場合があります

水腎症、尿管拡張どちらとも夜尿症の原因となります

3、残尿

排尿後も尿が膀胱内にたまっているかどうかをみます

なので排尿後超音波で膀胱内に尿がないかどうかをみます

排尿後も尿がたまっている児はまた膀胱内に尿が貯まりやすくなります

そうすることで夜尿の原因となります

4、便秘

便秘があると便が膀胱を圧迫し尿を促したりすることがあります

そのため夜尿の原因となります

超音波で便秘があるかどうかも判断します

まとめ

私がルーチンとしている主な検査は以上ですがそのほかに頭のMRIや腰のMRIを測定することがあります

検査結果により治療法が変わるため、検査はとても重要です

次は夜尿の治療法についてご説明します

何か分からない点がありましたがご質問いただければ幸いです

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