身長のメカニズム

低身長

こんにちは、小児内分泌科医Nです

身長の伸び方は子供の年齢によって、いろいろ異なります

赤ちゃんと、10歳の子供では伸び方が全く異なります

今回は各年齢の身長のメカニズムについて説明していこうと思っております

背が伸びるということは骨が伸びること

当たり前のことと思われるかもしれないです

背が伸びるということは骨が伸びることです

骨が伸びないと背は高くならないのです

当たり前ですよね(-_-;)

でもこれが重要です

各年齢で骨が伸びる因子が異なるのです

ここからは各年齢で何がかかわっているのか説明していきます

ICPモデル

まずICPモデルについて説明します

成長過程はI=infant(乳幼児期)、C=childhood(小児期)、P=puberty(思春期)で別れます

2017.2 小児内科

なぜこのように分けるのかというとI、C、Pで原因が異なるからです

なのでそれぞれの時期で原因などを考えましょうというのがICPモデルです

ここからは各時期によっての原因を説明します

乳幼児期(0~3歳)

赤ちゃんは生まれてから1年間で約25㎝背が伸びます

赤ちゃんの平均身長は約50㎝、1歳児は約75㎝なので1.5倍になります

実は人生で一番身長が伸びるのはこの1年間です

そして2歳には約85㎝となります

この時期で一番関与するのが栄養、遺伝、甲状腺ホルモンです

この時期は特に栄養が一番重要です

母乳、人工乳、離乳食の量で身長が決まってきます

肥満の児のほうが健常児に比べ身長が高い傾向があるのです

小児内分泌学第2版P172より

私の経験では特に離乳食後に低身長となるのが多いと思います

なぜなら離乳食後、体重増加不良となる児が多いのです

そのことにより低身長となることが多いです

小児期(4~11歳)

その後は1年間当たり約6㎝程度伸びます

思春期前は実は最も成長率が少なく、5㎝程度となります

ちなみに1年間に4㎝以下しか伸びない子は注意です

この時期は成長ホルモン、甲状腺ホルモンが関与しております

成長ホルモンとは脳の中に下垂体というところがあるのですがそこから出るホルモンです

成長ホルモンは骨に働き骨を伸ばす作用があります

また甲状腺ホルモンは首のところにある代謝を司るホルモンですが、これも骨に働き骨を伸ばす作用があります

ここで伸びない子は成長ホルモンや甲状腺ホルモンの不足が原因となる可能性があります

思春期(11歳~)

思春期では特に男性ホルモン、女性ホルモンが関与します

しかし思春期いつ来るかわからないですよね(-_-;)

僕らも予測はしますが正確にはわかりません

しかし身体に変化が現れます

男性では精巣が腫大、女性では胸がでてきます

そうすると思春期が開始したと考えます

男はわかりにくく、気が付いたら思春期が始まっていたと思うことが多いです

思春期が始まるとある程度身長の伸びが決定します

なので私たち小児内分泌科医はそれまでにいかに伸ばすかが重要となります

思春期で得られる身長は通常男児30㎝、女児25㎝です

思春期が来るとそれで成長が止まってしまいます

また女児の初経後は身長が約7㎝といわれています

ここで注意があるのですが低身長などある児は男児25㎝、女児18㎝となります

つまり低身長の子はより低身長になりやすいということです

最後に

今回小児の時期による身長の伸び方について説明しました

私たち小児内分泌科医は思春期前までにいかに身長を伸ばすかが重要です

なので身長で気になることがあれば小児科外来までいらっしゃってください

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