こんにちは、小児内分泌科医Nです
今回成長ホルモン負荷試験について説明させていただきます
この検査は私たち小児内分泌科医にとって必須の検査であります
検査の必要性、手順、解釈についてご説明します
成長ホルモンとは
以前下記のブログでお話ししましたが
低身長の血液検査、その解釈について | 小児内分泌科医Nの病気説明と投資など (doctornno.com)
成長ホルモンは22時から2時の寝ているときに出ます
なので通常外来で成長ホルモンを測定しても意味がないのです
その代わりとしてIGF-1を測定するのですが、IGF-1は低栄養でも下がるため、実際は成長ホルモンがでているのかはよくわかりません
よって実際成長ホルモンが分泌されているかどうか判断するには成長ホルモン負荷試験をするしかありません
成長ホルモン負荷試験の方法
実際成長ホルモンが出ているかどうかを調べるのが成長ホルモン負荷試験です
成長ホルモン負荷試験は全部で6種類あります
成長ホルモン分泌不全症(成長ホルモンが出ていなくて低身長となる疾患)の診断基準は成長ホルモン負荷試験2つ異常があることまたは頭部MRIに異常があり、成長ホルモン負荷試験1つ異常があることです
よって成長ホルモン分泌不全を診断するためには成長ホルモン負荷試験が必須の検査となります
成長ホルモン負荷試験の流れをご説明します
①まず、薬を投与するために点滴を確保します
その際一緒に採血を行います
②薬(アルギニン、クロニジン、GHRP2など)を点滴、または内服します
そうすると脳の下垂体に刺激し、成長ホルモンが放出されます
③実際成長ホルモンが出ているかどうかは血液検査を行います。
30分毎(GHRPは15分毎)に血液検査を行い、合計2時間(GHRPは1時間)、薬投与前も含めて合計5回採血を行います
30分毎採血なんて、、、痛い、、、という方がいらっしゃると思いますが安心されてください
採血は点滴から行うので、最初の点滴確保は痛いですが、それ以降は全く痛くありません
④採血がすべて終わると終了となります
ちなみに当院では成長ホルモン負荷試験は基本入院で行います
当院の流れは以下の通りです
成長ホルモン負荷試験の評価
成長ホルモン負荷試験をすると血液検査結果で「負荷前」、「30分後」、「60分後」、「90分後」、「120分後」で各々成長ホルモンの結果がでます
ただしGHRPという薬のみ「負荷前」、「15分後」、「30分後」、「45分後」、「60分後」で結果がでます
成長ホルモンの値はほとんど最初は低く、上がったあと、ピークアウトし下がっていきます
大事なのは成長ホルモンの最大値です
最大値が6以下(GHRPの場合は16以下)の場合、成長ホルモンが出ていないと評価します
成長ホルモンでていないと成長ホルモン分泌不全と診断し成長ホルモンの治療を行います
最後に
成長ホルモン負荷試験は実際成長ホルモンが出ているか評価する重要な検査です
低身長のお子様特にー2.5SD以下(100人にいたら1番前になる身長)のお子様は成長ホルモン負荷試験をし、成長ホルモンが出ているか診断しましょう
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