小児肥満症の基準について

糖尿病、肥満症

こんにちは、小児内分泌科医Nです

本日は小児の肥満症についてご説明します

小児肥満は現在とても増加しています

学校健診でも必ずチェックする項目のひとつです

なぜかというと通常大人で生じるメタボリックシンドロームや2型糖尿病が増加しているためです

小児肥満はご説明したいことはたくさんあります

今回はその中の一部について説明します

本日見ていただくと小児肥満の基準が分かります

それでは説明いたします

いつから肥満?

小児でいつから肥満なのか?という質問が外来でも多いです

ただ文献によりこれは異なっております

ここでは『小児肥満症診療ガイドライン2017』から抜粋します

小児肥満症は6歳から肥満と診断します

小児肥満症の診断(定義):肥満度

まず肥満症の診断(定義)について説明します

大人と小児では肥満症の診断が異なります

小児のほうが複雑です

大人ではよく肥満の診断に対してBMIを測定しています

BMIははBMI=体重㎏/{(身長m)×(身長m)}で求められます

BMIの正常値は18.5~25で、25以上を肥満、18.5以下をやせとみなします

例えば身長が170㎝、体重80㎏の成人がいたとします

そうすると80÷(1.7×1.7)=27.6となり肥満とみなします

しかし小児ではBMIは基本的に使えません

小児の肥満を求めるのには肥満度というのを計算し求めます

肥満度の求め方は以下の式で求めます

肥満度(%)={(実測体重-標準体重}/標準体重}×100

で求めます

簡単に言うと肥満度とは標準の体重に比べ何%増加しているかを示しています

次に標準体重の求め方について説明します

標準体重は下記の表の計算式で行います

Xは身長(cm)を代入してください

例えば7歳男子、身長120㎝、体重30㎏であったとします

そうすると標準体重は表を用いて

学童6歳以上、身長101cm以上

140cm未満)標準体重=0.0000303882X3-0.00571495X2+0.508124X-9.17791

のXに身長を入れ標準体重は22㎏となります

肥満度は(30-22)÷22×100=36%となります

複雑ですね。。。

肥満度の基準

肥満度の基準は幼児(1~6歳)、学童期(7歳以上)で異なります

幼児(1~6歳)は肥満度15%以上を肥満といい、重症度分類では

軽度肥満:15-19.9%、中等度肥満:20-29.9%、高度肥満:30%以上

また学童期以降(7歳以降)では肥満度20%以上を肥満といい、重症度分類では

軽度肥満:20-29.9%、中等度肥満:30%-49.9%、高度肥満:50%以上

となります

特に高度肥満には要注意です

最後に

肥満症は現在とても増えております

とくに、小児の肥満は大人になっても肥満となる可能性があり早めの治療介入が必要となることが多いです

まず診断が大事なので、気になる方はぜひチェックされてください。

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